イラストでわかりやすく!糖尿病の基礎知識〜原因と症状〜
よしじまの皆様こんにちは!ちょこ健学生メンバーのたごちゃんです。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
私は2月から春休みに入り、積読していたものを片付けるべく読書三昧の日々を過ごしております????
さて、本日からお届けするのは 病気の知識 第二弾「糖尿病」。
生活習慣病の中では高血圧に続いて身近な病気なのです。
この記事では、糖尿病の原因や症状などの基礎知識を看護学生の私、たごちゃんが分かりやすく解説していきます✨
この機会に糖尿病の知識をマスターしちゃいましょう!
「血糖」「インスリン」ってなあに?
では...早速ですが質問です!
皆様は「美味しいご飯がどのように私たちのエネルギーになっているか」ご存知ですか?
私たちの食べたご飯は、消化されてブドウ糖となり、血液に乗って全身に運ばれます。
ブドウ糖は血液中からひとつひとつの細胞に取り込まれ、主なエネルギー源の一つとして利用されるのです。
この、血液中にある状態のブドウ糖を「血糖」といいます。
血液検査で測定される「血糖値」とは、血液中にどれぐらい血糖があるかを表しています。
また、血糖値は通常「インスリン」や逆の働きをもつホルモンによって、一定の範囲内になるよう調整されます。
「インスリン」には血糖が細胞に取り込まれるのを助けることで、血糖値を下げる働きがあります。
血糖値を上げるホルモンは多数ある一方で、血糖値を下げる効果のあるホルモンはなんと「インスリン」しかありません。
糖尿病ってなあに?
糖尿病とは、このインスリンが不足、もしくは上手く働かないことでブドウ糖が血液中に溢れてしまい、血糖値がずっと高くなっている状態 です。
糖尿病にはI型糖尿病と II型糖尿病に分けられます。
I型糖尿病は子供や若い人に多く、インスリンを作る細胞が破壊されることが原因です。
自己免疫性疾患の一つで、肥満は関係ありません!
II型糖尿病は中高年に多く、遺伝的体質を持った人が乱れた生活習慣(肥満・運動不足・暴飲暴食・ストレス)を続けることが発症の原因としてあげられます。
いわゆる一般的な糖尿病であり、糖尿病患者の9割以上がこちらに該当します。
肥満はII型糖尿病が発症する大きな要因の一つになっています。
糖尿病になるとどうなるの?
I型糖尿病と違って、肥満が原因のII型糖尿病には自覚症状がありません。
ですので、健診で糖尿病が発覚するケースがほとんどなのです。
(前回取り上げた高血圧も自覚症状なし、でしたね。詳しくは「あなたもそうかも!?とっても身近な高血圧」をご覧ください!)
食事療法などを適切に行い、血糖値をコントロールしていればお仕事も出産もできます。
ただし!
健診を受けずに糖尿病に気づかなかったり、適切な食事療法をしなかったりして血糖値が高いままでは、合併症として次のような症状を発症することがあります。
- 糖尿病網膜症…進んでしまうと失明の原因になる。
- 糖尿病腎症 …進んでしまうと腎不全になり、人工透析が必要になる。
- 糖尿病神経障害…下痢、便秘、しびれ、吐き気、胃もたれ、筋力低下、立ちくらみ、下半身の痛みなど。
そのほか、脳梗塞や心筋梗塞、足の壊死などの怖い病気も糖尿病が原因となります。
また、一度糖尿病になると受診や食事療法をしながらずっと病気と付き合っていくことになってしまうのです。
いつまでもおいしいご飯を食べるためにも、普段から血糖値を気にかけてみましょう!
POINT
- ① 血糖 = 血液中にある状態のブドウ糖のこと。身体を動かすエネルギーのもととなる。インスリン = 血糖値を下げる唯一のホルモン。
- ② 糖尿病とはインスリンがうまく働かず、血糖値が高くなった状態のこと 。
- ③ 自覚症状はほとんどないが、合併症が怖い。一度なってしまうと食事療法をずっと続ける必要がある。
本日の記事はいかがでしたか?あらためて糖尿病は怖い病気ですね…
私はいつも目の前にご飯があるだけ食べ続けてしまう癖があるので、気をつけたいです!
次回からは、糖尿病の受診基準や明日から実践できる予防の知識をお伝えしていきます。
更新をお楽しみに
ちょこっとステップ 〜なぜ肥満だと糖尿病に?〜
ここからは、もっと知りたい人のための番外編!
なぜ肥満だとII型糖尿病の発症リスクが高まるのでしょうか。
その理由として「インスリン分泌力低下」と「インスリン抵抗性」が挙げられます。
インスリン分泌力低下
私たちがご飯を食べると血糖ができるため、自然に血糖値が上昇します。
ところが肥満の方の場合、ご飯の食べ過ぎにより血糖値が正常よりも高い状態になります。すると、膵臓は通常よりも無理をして多くのインスリンを作ります。
このような状態が続いた結果、膵臓はインスリンを作ることに疲れてしまい、分泌力が低下してしまいます。
インスリン抵抗性
インスリン抵抗性とは、十分な量のインスリンが作られているにも関わらず、細胞がインスリンを受け取らなくなってしまった状態を指します。詳しい仕組みはまだ解明されていませんが、内臓脂肪が多いことでインスリンの働きを妨げることがわかっています。
参考文献
- 糖尿病サポートネット「糖尿病ってどんな病気?」
https://www.kyowakirin.co.jp/diabetes/about/index.html - 浅野嘉延ほか(2021), 『看護のための臨床病態学. 改訂4』南山堂
- Motonori Satoほか(2021), “Prevalence and Features of Impaired Glucose Tolerance in Young Underweight Japanese Women”, The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 106-5, p.e2053–e2062
https://doi.org/10.1210/clinem/dgab052