吉島地区の地層
今回は、置賜盆地(おきたまぼんち)の真ん中の吉島地区の地層について学びましょう!
どんこいしょ井戸
吉島地区には、その昔『どんこいしょ井戸』と呼ばれる自噴式の掘り抜き井戸が数多くありました。自噴式とは、勝手に地中から水が吹き出す井戸になります。みなさんが時代劇などで見る、人の力でくみあげる井戸や、ポンプ式の井戸とはしくみが違います。
「どんこいしょ井戸」という変わった呼び名の由来は、こんな話があります。
井戸を掘るときに高いやぐらを組み、その先に鉄の棒を取り付けて、豊富な水をふくむ層を目指して、鉄の棒を上げては下ろし120メートルから200メートルもの深さを掘ったそうです。このたいへんな作業をおこなう時のかけ声が「どっこいしょ」だったため、このかけ声がもとで『どんこいしょ井戸』と呼ばれるようになったようです。
金気水(かなけみず)って何?
吉島地区の井戸は昔、「どこまで掘っても泥ばかり」とか「どこを掘っても金気水」と言われていたそうです。
金気水とは、鉄分やマンガンを多く含んだ水のことで、みなさんの学校のまわりにある消雪道路から水が流れ出る部分が、赤茶色く変わっているのを見たことがあると思います。これは吉島の地下水で、この水こそが『金気水』なのです。
昔、水道がない時代には、井戸からくみあげたこの地下水で洗濯やお風呂などしていたため、着物が赤茶色に変色したり、お風呂に入ればカラダにも色がついてしまったりと地域の住民を悩ませていたそうです。
なぜ吉島地区の地下水は金気水なの?
吉島地区の地下水はなぜ金気水なのか、その謎を知るには大昔にできた置賜盆地のなりたちと、地層を知る必要があります。
置賜盆地は、大昔は海の底で海底火山が爆発し、その火口に泥がたまって出来上がったとされています。実はその火口が置賜盆地の中心の吉島地区でした。火山の噴火で出てくるマグマには多く鉄分が含まれています。その鉄分を多く含んだ土が、雨水とともに山肌をすべり、泥となって火口に高くつもりできあがった置賜盆地。
この泥の層こそが金気水の原因となります。
吉島地区の地層
200万年前に積み重なった吉島地区の地層は置賜盆地の中でもっとも深く、だいたい200メートル近いことがわかっています。先ほどの金気水の原因となっている泥の層が多く積もっているとされています。
- 砂れき
- 粒の大きさが、2~16分の1ミリメートルものを砂、2ミリメートル以上のものを礫と呼ぶ。
- 砂
- 岩石が砕けて、小さな粒になったもの。
- ねん土
- ごく細かい粒からなり、水を含むと粘りけの出てくる土
- 泥水
- 泥がたくさんまじった、にごり水。
- 溶岩(ようがん)
- マグマが地表にふきだしたもの、あるいはそれが冷え固まったもの。
- 泥岩(でいがん)
- 堆積岩(たいせきがん)の一種。泥が堆積して固まってできたもの。
- 砂岩(さがん)
- 水成岩(すいせいがん)の一種。石英・長石などの砂粒が水中に沈み固まってできたもの。建築、土木用の石材や砥石に使用する。
- 凝灰岩(ぎょうかいがん)
- 堆積岩の一種。グリーンタフとも呼ばれます。火山灰をはじめとする直径4ミリ以下の火山噴出物が固まってできた岩石。もろいが加工しやすく、建築、土木用石材として使用する。
- マントル
- 地球の地殻の下から深さ2,900キロのあたりまでの個体部分。粘弾生体のように動き、大陸移動の原因になるとも説かれる。
今回はここまで!
吉島地区の地層について説明しました。
地層を説明しようとすると、難しい言葉が数多く出てきます。わからないことは先生やお家の方に聞いてくださいね。